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2021.07.15

上位交差性症候群の評価②・リハビリテーション

千歳市の日常やスポーツでのケガ、交通事故後のムチウチなどを施術する整骨院。

青葉鍼灸整骨院の五十嵐です。

今回は、前回の上位交差性症候群の評価(上位交差性症候群による頸部~上肢機能障害の具体例)

の続きと、上位交差性症候群のリハビリテーションについて書いていきます。

②横隔膜の扁平化

胸郭が後弯し、横隔膜が扁平化します。そして横隔膜の動きが悪くなり、呼吸が浅くなったり、

自律神経症状に悪影響を及ぼします。また、上部肋骨の拳上が大きくなり、慢性的な斜角筋・

肩甲挙筋の緊張につながります。

評価:立ち膝をした状態で膝を左右に倒し、骨盤と季肋部が別々に動くかを確認します。

骨盤と季肋部が同時に動けば横隔膜の機能低下とみられます。季肋部に圧痛がみられることが

多いです。また、仰臥位で下部肋骨に手を当て大きく深呼吸します。その際、下部肋骨が左右に

拡がっているかを確認します。下部肋骨の動きが悪くなると上部肋骨の拳上が大きくなります。

③肩甲骨の前傾(拳上、外転、下方回旋)

肩甲骨は前傾・外転し、肩関節伸展、肘関節屈曲、前腕回内、手関節尺屈が起こります。

そうなると、肩甲挙筋、斜角筋、小胸筋の筋スパズムが亢進し、胸郭出口症候群を起こしやすく

なります。前腕が回内し、尺屈するため前腕伸筋に抑制がかかり、また、回外筋のストレスが大きく

なるため、腱鞘炎や外側上顆炎が起こりやすくなります。

常に上腕骨頭が前方に変位するため、腱板疎部や上腕二頭筋にテンションがかかり続け、肩関節

前面の痛みが出やすくなります。

評価:ストレッチポールの上で手首が床から浮かないで上肢を120度(頭の高さ)まで

外転できるかを確認します。壁に寄りかかり肘・手首がついた状態で180度外転できるか

でもオーケイです。出来なければ、小胸筋・肩甲挙筋にスパズムがみられます。また、

広背筋・前鋸筋に機能低下がみられます。

④インナーユニットの機能低下

インナーユニット(横隔膜、腹横筋、骨盤底筋、多裂筋)の筋活動が低下するのが原因と

なります。インナーユニットの機能低下により呼吸筋への負担が高くなります。特に第一・第二

肋骨に停止する斜角筋の働きが大きくなり、斜角筋がスパズムを起こし胸郭出口症候群が

起こりやすくなります。

評価:座位でベッドに座らせ、骨盤を立てた状態でドローイン(息を吐き、お腹を凹ませ、固く

する状態)を行い、前から押された抵抗に耐えられるか、抵抗に耐えられなければインナー

ユニットの機能低下がみられます。

上位交差性症候群のリハビリテーション

上位交差性症候群は、院内だけの治療では限界があり、患者自身にも自宅でストレッチ等を

行う必要があります。小胸筋のストレッチ、インナーユニットのトレーニングを中心に行います。

ストレッチポールを使用すると効果が高いです。

頸椎椎間板症、頸椎椎間孔狭窄症、胸郭出口症候群は、痺れ・痛みが強い間は保険を使用し、

疼痛抑制を中心に治療を行いますが、その後は上位交差性症候群の機能改善が必要なため、

自費に移行し機能改善を行うのが望ましいです。

載せた症状以外でも体幹部の症状でだいたい呼吸が正しくできていない状態が多いです。

皆さんも確かめてみてはいかがでしょうか。

次回は、肩回りの運動療法について載せていきます☀

 

青葉鍼灸整骨院 五十嵐でした。

 

 

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